漢字検定。

2004年10月29日 お仕事
 5月に続いて、放課後に漢検を実施。
 7時間目まで授業をやって、それからの放課後だから生徒も大変と言えば大変だ。
 漢検担当の自分としても、5〜7限目まで3コマ連続で授業をやって、生徒に掃除をさせて、帰りの会をやって、すぐに試験監督をする先生にお願いする。
 
 褒めてくれたってバチは当たんねーゾ。あー。
 
 みんなして、しんどい、しんどいってわけだ。
 中学生にして2級に挑戦、58人。約600人が受検しているのでおよそ10%。けっこうすごいと思う。
 
 英語で英単語を重視するのと同じくらい、漢字って大事だ。
 それは当たり前のことなんだけれど、実感としては英単語よりも漢字の扱いが軽いのではないかと思う。
 英語の長文問題で英単語がわからなければ話にならないように、評論では漢字の語彙がなければ太刀打ちできないんじゃないだろうか。
 英単語800だかの問題集を電車の中で読んでいる受験生はいる。
 けれど漢字の問題集を読んでいる受験生は相当レアだ。
 そりゃあセンター評論の点が伸びんわな。
 
 別にせきね(仮名)が国語科の方針を決めているわけではないが、漢字検定にこだわる価値はあるんじゃないかな、と思う。
 
 
 誰もいなくなった職員室で解答用紙を一枚一枚確認し、漢検協会に宅急便で段ボール箱を送る。
 
 緑茶をすすり、しばしぼんやりとする。
 気付けば21時。

tempest。

2004年10月20日 お仕事
午前授業で学校は切り上げ。
 
突発的に書き物をしたが、それをどうするということもなく。
勤務は14:30までとなって、時間になったらすぐ帰宅したがそれほど嬉しいと感じてもいなかった。
  
家ではだらだら過ごすうちに眠くなって、夕方から夜にかけて寝てしまう。
 
22:00過ぎに生徒からメールが来て、のんびりと会話をつなぐ。

運動会。

2004年10月16日 お仕事
寒いから。いやマヂで。
 
結果から言えば滞りなく終了。
 
中等部が独立して行う、初めての運動会だったわりには上出来。
 
生徒もバリバリ働いていたし、急造の応援団なのにムチャクチャがんばっていたし。
ホントえらいよなあ、と思った。
どっかの端っこで遊んでいるヤツなんかまるで居ないのである。
すげーぜ。
 
先生たちもがんばりましたよ。えらい。
 
せきね(仮名)は、表彰係でした。
記念品を配って回って、競技の結果が出たら表彰状つくった。
ヒマかと思いきや、けっこうな勢いで忙しかった。
自分のクラスの応援席に折りたたみ椅子を置いたけれど、ぜんぜん座っている時間がなかった。
 
デジカメで写真撮る機会も作れなかった。
今回1枚も撮っていない。
学級通信を出すつもりだったのになあ。んー。

10月8日の日記

2004年10月7日 お仕事
 現在、日の変わる10分前。
 通知票の所見を書き終えて帰宅し、1杯のチューハイとともに。
 
 もともとデスクワークをするのが遅いのもあって、明日配布のものがこの時間までかかった。
 
 特につらいわけでもない。
 指定された字数に、当然のように書き記す。
 
 もらってうれしい所見を書こう、と思っていた時期もあった。
 が、今回はそんなことを考えない。
 
 媚びない。
 
 良いものは良いし、悪いものは悪い。
 
 課題の提出期限を適当に遅れ、適当な結果になった者にその点を指摘しないのは、とてもおかしい。
 もっとも、いきなりひどいことを言われる親御さんがかわいそうでもあるから、自分を曲げない程度にゆるやかに意見を書いた。
 
 成績が悪いのは、究極のところは親御さんの責任ではなかろう。
 当たり前だが、本人の責任だ。
そうです。
今日も出勤して夏休みの宿題をやらせているのです。
 
ホントに3日間やるとは……まあ予想はしていても、なんだかなあという気持ちにはなる。
 
まだ終わらないらしいんですけどね。次は土日か。ふー。
 どーせ、平日ですから。
 平日に休みになったって、遊ぶことなぞできないんです。ヲトナですから。
 かといって、パチンコもその他の賭け事もやりませんし。趣味じゃない。

 
 というわけで生徒を休みの教室に拉致監禁(w
 ボクは誰もいない職員室で雑事を片づける。
 
 途中でデスクワークにも飽きたので、教室の机を全部出して、床磨き+ワックス掛け。
 それなりにきれいになる。
 
 
 家の掃除はキライだが、学校の掃除は好きだ。
 
 すっきりとした教室は、冴え冴えとしていてあたたかい。
 学ぼうとする理性と、気づかいの心とが同居している気がする。
 どちらが欠けていても、教室は汚くなっている気がする。
 
 自分で体を動かして教室を掃除していくと、仕事でささくれ立った気持ちも落ち着いていく。
 教室に生活する、生徒ひとりひとりの表情が浮かんでくる。
 どうすれば良くなっていくだろうかと、記憶の断片をかき集めながら考えを深めることができる。
 
 ローマ人は、身の回りのことを奴隷に行わせることによって人間らしさを失っていった。
 せきねは、這いつくばるようにゴミを掃き集め、床を拭くことによって人間らしい教育を夢見る。
 
 あと30年。これだけは忘れたくないなあ、と思う。
中学入試の外部団体がウチの学校を使っての模擬試験を。
そこでウチの側からも学校の紹介を。
子どもが模擬試験を受けている間に、親御さんは学校説明を聞いて暇つぶしよりはマシな時間を過ごす、という。
……って休日なのに役員おれかよ〜(泣)

午前午後・全5回の説明のうち、2回のPC係。
ほとんど打ち合わせしていないから指示の通りにスライドショーを進めるだけ。
 
その後に質問……というより苦情(?)を受けた。
高校生の服装が乱れているのではないか、という。
 
実際、その通りの話である。困ったものである。
服装などについての指導をしていないわけではないのだが、徹底にはほど遠い。
 
ただ、思うんだけれどもね。
学校だけでこういうことの徹底はできるンかな、って感じるのである。
 
その学校に於ける制服の在りようについて語る父上殿の相手をしていて思うのだ。
(そもそも、学校に来て生徒指導について語るっていうのはそうとうな自信と自負があるんでしょうな。そこにいる教員以上の)
 
あなたの大事な息子なり娘なりの、頭髪の色が少し変わりました。
学校は染めるなり脱色なりしたと本人から聞き出します。
「黒くしなさい」と指導が入ります。
本当に、そのようにできますか。
子どもの言い訳を聞いて、「ウチの子は何もしていない」「自然な色なのに何で『直せ』というのだ」とか言ったりしませんか。
 
今日は休日です。
子どもが部活動に出かけていきます。
朝、子どもの制服姿を見て、「その格好はおかしいんじゃないか」と言うことができますか。
そもそも、いつの朝でもいい、子どもの制服姿を見る機会をつくれますか。
 
とにかく"良い学校"に放り込めば安心、と思う保護者がいるならば……あなたの子どもは人生の遠回りをしますよ、と言いたい。
 本日は教頭代理とともに塾訪問へ。
 県北〜I県方面。

 塾訪問、っていうのは、まぁ営業なんだろうな。
 新しくできたウチの学校のパンフレットとポスターを持って出かけていって、「よろしく」ってPRするわけだ。
 それとウチの学校の状況を話してくる。質問も受ける。
 もちろん最終的に進路を決めるのは各家庭だけれども、「ウチというガッコがありますよ」ってことくらいは知ってもらわないと始まらない。
 
 話すことは教頭代理がほとんどするわけで、ボクの役割はアポ取って行く順やらを確保するのだけれど……。予定通りに行かなくてしょんぼり。
 ボクの普段は、仕事と家の往復。休みに時々出かけるにしても都内へ行ってしまう。ホントに行かないんである。そんな場所への所要時間を考えて、場所を確認して、電話して……まあいい経験させてもらっているんだけれどね。当然ながらひとりで気楽にやるんじゃあなくて、上司はいるし、相手先はあるし、でどこまで気を回した方がいいのかなどなど、慣れなくて大変だった。
 
 夕方、家に帰る頃にはけっこうぐったり。
 半分ごろごろしながら報告書の下書きをする。
 
 そののちに、帰ってくる途中で買ってきた「蒼天航路」32巻と「サトラレ」7巻を読む。
 「蒼天航路」は安心して読む三国志になったなあ、と思う。読み手が慣れてきたのもあるのかもしれないけれど、最初のころの「斬新さ」よりも「安定」って感じですかね。董卓がいたころはハチャメチャだったよなあ。
 「サトラレ」は急展開です。というかどうなってしまうのかな、という緊迫感を感じる。んー。
 ……「ブラックジャックによろしく」は精神科篇になってから読んでないのです。んー。
 散発的に仕事をしたり出張に出かけてみたりという世界から、いよいよ拘束性のある業務の開始。
 フレックス制から定時勤務に変わるようなものかな?
 まぁ言うなれば、仕事を「シゴト」とか「死事」とか「刺誤闘」とか書く、涙無しには語れない日々が再開されるわけだ。

 今日は学校見学会。
 ウチの学校の名前くらいしか知らない人に実際に来てもらって、説明をしたり校内を見てもらったりする。
 
 実際に行ってみる、その雰囲気にひたってみる、ってものすごいことだな、と思う。
 行ってみて感じることはたくさんある。
 「他人と会うこと」と同じで、実感がわく、んだな。そこに在るんだ、という。
 東京、早稲田、慶応、東京農業、芝浦工業、創価、明星、麗澤、千葉商科、上智、埼玉、実際に敷地内に入った大学にはなんとなく親近感を覚えるから不思議なものだ。表を通りかかる、とかいうのとはやっぱり違う。
 
 これから通うかもしれない場所へ事前に出かけないというのは、塾情報も何もかもホントに知らない人か、ものすごい手抜きか、どっちかだろうという気がする。
 今までものすごい幸運続きで、これからもずっと幸せだろうと確信している人もそうなのかもしれない。
 
 そういうわけで、あっけらかんと「ウチが良いと思って働いてますから、良い点を言います。けれど最終的に決めるのはみなさんです」と一貫して言い続けている。
 「ウチ以外にもいろいろ行ってみて、一番納得できそうなところを選ぶのが大事だと思います」とも。
 
 しょんぼりしている生徒を見るのは悲しい。
 理解し合えない家庭と話をするのは苦しい。
 
 これは教員をやっている実感だ。
 経営やら商売やらについては、それを考える職責の者が居る。そいつらにやらせておけばいいし、ソウイウモノがやりたくて学校という場で仕事をしているのではない。
 
 ただ、目が生き生きとしている生徒がどの学校にも多くなってほしいと思う。
 (それは「楽しい」とも「明るい」とも若干ちがう。際限なくおしゃべりしていたり笑い続けているのは、ときに病んでいる場合もあるからだ。)
 ……こういう思い、伝わるかなあ。

教員研修。

2004年7月20日 お仕事
 生徒さんたちはお休み。
 センセたちは3時間かけて救急救命法。
 そういえば昔、高校1年生にやらせたっけなあ。そのときは消防署の方たちを呼ぶのでせいいっぱいで、講習の時には見ていただけだったっけ。
 
 今回は教頭をはじめとして、中等部教員30人以上が参加。
 
 消防署の人が模範実演で落ち着いてやっているんですが、いざ自分でやるとなると、緊張して手順を忘れちゃうんだよ、これが。
 
 グループごとに分かれて実習したんですが、どこのグループも爆笑と拍手の嵐。
 
 せきねも笑われました。
 
 救急車を呼ばずに人工呼吸をしようとしてしまった。
 ↑いつ助けが来るんだヨ?
 気道確保後に手の動きを忘れてしまって、喉の上に手を置いてしまっていた。
 ↑首絞めて死ぬでヨ?
 
 いやはや、せきねの前で倒れた方は死を覚悟してください(ぉぃ)
 
 
 午後は。
 部活動予定表の完成・確認・職員室内掲示。
 漢検成績優秀者の選出。
 校長賞の賞状作成。
 ↑見てのとおり細々した仕事をしています。
 
 
 「萌える漢検漢字プリント」作ろう。準2級か2級かな。
 誰にやらせるか。んー。
 学校見学会役員。
 入試広報主任のサトウ先生を中心にして、ウチの生徒募集活動は「よくやっている」と評して良いと思われる。(もっともサトウ先生は生徒に「ラクしている」と言われっぱなしらしい。多くの中学生たちは、目に見えるもので判断する。ひどい話である。)
 
 入試の成績には決して反映されないが、なんだかなあ、というグループも多い(気がする)。「特記事項で入試の合否判定に申し送りたい」って、正直いって思うこともある。
 
 ムチャクチャやる気なさそうな子ども。
 何に対して怒っているのか判らないことをぶつけてくる保護者。
 
 かんべんしてほしい。
 来る気ないなら無理しなくていいんじゃない?
 
 もっとも、違うところにある「学校というもの」に絶望し続けてきたのかもしれないから、ウチでは態度を変えろという方が傲慢なのだろうとは、ちょっと思う。
 
 ゆるゆると仕事をして、休日出勤終わり。
 手当なんか有って無いようなモノだし、あまり良い気分で仕事ができたわけでもないし、イマイチな一日。
 まあ、余った弁当とみそ汁パックを持ち帰って、食費が浮くことは良いことかな。
 らっきー(笑) ←ぉぃ
 そもそも、いろいろな事情の生徒がいて、落ち着かないクラスではあった。
 そしてこのたび「消しゴムをちぎって投げる」ということが大規模に行われていることが発覚。

 気付いたのは7/13(火)の7限・特別活動。
 「落とし物入れ」の消しゴムのほとんどが無くなり、教室内にちぎった消しゴムが異様に散らばっていた。
 
 
 せきねの考えからすると、非常に許し難いことだった。
1) 授業中に消しゴムを投げ、他人に当てて楽しむということ
2) 落とし物とはいえ、他人の物を勝手に無駄にすること
3) ゴミを散らかして、片づけもしないこと
 
 帰りの会で生徒たちに問いかけたものの、全体の中で正直に名乗り出る者も無い。
 まあおそらくやったのは男子であろうと考えて、「誰も名乗りでなければ男子全体で校外清掃を行う」と言って切り上げました。
 
 放課後講座の後、9名の男子生徒(と状況を知っている男子生徒)がせきねのもとに来る。

☆数量
 ○2名が、1番前の友人に消しゴムを投げる
○2名が、1番前の男子生徒に消しゴムを投げる
 男子生徒が、投げ返す
☆図形
 ○1名が、友人2名に消しゴムを投げる
☆昼休み
 ○1名が、落とし物の消しゴムをそこらじゅう(?!)に投げる
 
 指導は以下の通り。
1) 反省文・原稿用紙2枚
2) 家庭へ連絡(授業態度の報告と、校外清掃へ出すことの承諾もあります)
3) 7/14(水曜)放課後に、校外清掃(学校〜最寄り駅)
 
 
 もちろんというか、今回の件も指導教員が気付かないように(板書時など)遊んでいたようなので、今日判ったのは上のことのみ。
 しかし話によると、男子だけではなく、女子にも消しゴム投げをする生徒がいるとか。
 "席を勝手に移る"など、授業の基本を揺るがすようなことを他にもしている可能性はあるかもしれない。("指定された座席を勝手に移る"のは相当まずい。そう言うクラスではまともな学習は行われていないと見るべきだろう)
 まあ、いつ・誰が・どの授業でという確証がないので、まだ動けないが。
 いくら個別指導の案件で手一杯になっていたとはいえ、各教員への迷惑を考えると、申しわけない思いでいっぱいである。
 
 
 とりあえず、今回の顛末を活字にして各教員に配る。
 報告と、できることならば援助を。
 
 授業中にふざけている生徒がいたら(特に、消しゴム投げをしている生徒がもし仮に居たら)、担任が今回のように話していますので、特にきっちり指導してもらってかまわないということ。
 
 ケガをさせることがなければ、各先生方の方針によって、それぞれのやり方で生徒たちを授業に集中させてかまわないということ。
 もしせきねだったら、後ろに立たせるか、廊下に出すことも場合によってはあり得るだろう。
 
 他にも気になることがあったら、担任であるせきねに聞かせてほしいということ。

 教室は、勉強をするところだ。
 「授業中に消しゴムを投げる」に代表されるようなことが起こっている教室は、少なくとも私立の学校では有り得ない。
 そんなところで闘うのは、私立ではない。
 
 目に見えることは些細なことだ。
 学園コメディのひとコマのようないたずら。
 けれど、断じて放置するわけにはいかない。
  
 保護者からお叱りを受けようと、かまわない。
 覚悟を決めて、せきねが引き受けようと思っている。
 そのためには授業担当の各教員と、各家庭との連携が要る。
 好き嫌いではなく、何が起こっているか知ってもらわねばならないだろう。
 
 9名の保護者に連絡をする。
 各家庭5分以上かけて、状況の説明をする。
 よく話し合ってくれるといいのだが。
 学校の教員をやっていて、とても気にくわないことが多い。
 けれど、予備校の講師をやろうというふうにはあまり思っていない。
 ふたつは明らかに似て非なるものだから。
 
 以下、せきねの思う予備校、予備校の講師。
 
 人気のために無理をしている。「教え方」で無理をするのは当然だ。けれど、そうではないところで無理をしている方も見受けられる。
「講師としての寿命」が短い。伝説的な講師となれば別であるが、下手をすると数年で教壇を去る方もいると聞く。教育の技術は、そんなに短い期間で賞味期限が過ぎるものではないと思う。
 受講生の非を止められない。当たり前だが、受験生のほとんどは未成年である。それを知りつつも喫煙場所を用意せざるを得ない予備校という施設に、せきねは納得がいかない。
 本当に拾わなければいけない受講生を拾うことが、とても難しい。学ぶことに苦しくなった生徒は、教室に現れなくなる。出てこなくなった受講生ほど、真っ先に駆けつけていって引っ張ってくるべき者なのに、予備校では「居る者だけ」で何事もなかったかのように日々が進んでゆく。

 以上、予備校の先生、ごめんなさい。
 学校の教員総体の低レベルさは目を覆うべきもので、予備校に対してエラそうにものを言えないのは充分すぎるほど判っています。
 
 でも、せきねは。
 目に見えるところだけ楽園にして済ますことはできない。
 毎日毎日打ちひしがれながら、それでもあと30年教員として生き続けてみたい。
 自分が関わることで将来がより良く変わる、そういう子がいるといいな、と願っている。
 
 
 ……。
 で、考えたんだけどさ、「あと30年」ってことは、今後10000回はヘコまされるんだよな。
 うひゃ〜。うおおぉ〜ん(大泣)
 ↑バカですね(w

合宿最終日。

2004年7月7日 お仕事
 6:30起床。ツアーコンダクターが全館放送を入れてくれるので、引率教員も時間ぎりぎりまでごろごろしていても構わないのがありがたい。
 6:40くらいに部屋を見に行っても、ほとんどの生徒は起きている。起きていないと、体調を崩していることが多い。
 女子は女性教員にお任せして、男子部屋を見て回る。
 ウチのクラスで一番元気なヨーヘイが、布団をかぶったままである。
 「どうしたん? 調子悪いの?」 って結構マヂで聞いてみたら、もじもじしおる。
 「えー。あー。ちょっと」
 周りの子たちがはやし立てる。
 「コイツー、あさだちー、あさだちー」
 うは(笑) さすが中学2年。
 「"おさまらない"んすよー」
 ばかやろう。つぅかそれで朝の集会に遅刻したらどうすンよ?
 あさだちがおさまらなくて遅刻。サイテーだ(笑)
 「ゲンキそうでなによりじゃないですか〜 あぁん?」
 布団の上からヨーヘイに蹴りをくれて退出。
 心配して損したわい。
 
 
 朝の集会、朝食、部屋退出のための大掃除。
 のち、国数英のまとめテスト。国語は全部で91問の問題。
 見て回ると、せきね組は相当振るわない様子。(あとで点数を出したら、やはり相当ひどかった。どんな鬼となってどんな責め苦を与えるかが思案のしどころである)
 
 
 昼食、閉校式。13:00に宿を出発。
 
 バス中では「ハリーポッターと秘密の部屋」のビデオを見る。
 みんな静かにビデオを見て過ごした。乗り物酔いで前の座席に来た者もいない。だが、何かが違うような気がするんだよね。ビデオって。
 子どもにテレビを見せておけば、たしかに子育ての苦労は激減する。しかしその問題点については「サイレントベビー」なんていう言葉も使われて論議がなされている。
 まだ自分の主張として明確にはならないけれど、「学校で行われることのすべては、学校でしか為し得ない"教育"でなくてはならない」というように思うんだな。そうすると「ビデオ上映」っていうものに疑問を感じるんだよね。
 
 で、「アカペラでもいいから歌いたい」って言っていた後部座席の女子に話を振っても、特にこれといった返事をしてこない。
 ぼそっと不本意だという意思を見せるくせに、いざ水を向けると何も言わない。あちら側もあまり良い気分ではないのだろうが、こちらも相当気分を害する。どんなに良い気分であっても、いっぺんに不快になる。
 ずいぶんきらわれたものである。
 もともと、聞こえるように愚痴や不平や陰口を言うような人間が大きらいだった。そういう者を見かけると、本気で殴り倒したくなる。
 そのうち癇癪をおこしてしまうかもしれないな、と自分自身で思っている。……そうなったら、教員稼業も終わりかな。
 
 
 16:00過ぎに学校着。
 特に連絡事項もなくバスを降りたらすぐ解散と指示したのだが、何人も何人も「集まるんですか」と聞いてくるので「言った」「さっき言ったとおり」と怒って言ってしまった。
 バスを降りる10分前に、きっちりマイクを通して言ったんだけれどもなあ。 ……ウチのクラスの様子はこの「一事が万事」で知れるものだ。
 
 日が暮れるにつれてぐっと疲労が押し寄せてきて相当辛かったが、仕事をしつつ学校に待機。
 担任が生徒の帰宅する時間まで職員室にいないのはおかしいだろうと思ったからである。とっとと帰宅する教員が信じ難い。……ま、主義主張はその人によって違うか。
 
 職員室にはこれといった連絡もなく、20:00過ぎになって退出。
 勉強合宿、なんとか終了。
 
 
 ……。
 
 
 ……来年は、アメリカ修学旅行2週間の引率らしいです。
 マヂでかんべんしてほしい。

合宿3日目。

2004年7月6日 お仕事
 ひたすら勉強の日。
 なのに無事で済まないこのつらさよ。
 
 午後、クラスで一番おとなしい子同士が乱闘。
 片方は眉毛の上あたりにたんこぶ。もう片方は殴った右手を打撲。
 どっちもいざ事情聴取するとものすごく小さい声でしか話さないので、状況を知っていそうな生徒も引き連れて別室で状況を確認する。
 昼休みに部屋で座布団投げをしていた際に、ある子が泣いてしまう。
 それを知っている子が別の子と話をする時にその話題を出し、「やめてくれ」と言ってもやめなかったので殴りかかる、という。どんな時でも暴力はいけない、ということなどを中心に指導。
 これから普通に付き合うことができるための約束をさせる。そしてケガもしたので、いちおう親御さんに連絡(夜に)。
 
 
 あいかわらずの風呂指導も終えて、授業も入って、ますますたまっていく疲労を感じつつ点呼・就寝。

 明日は最終日ということで、なんかとっても騒がしくなりそうな雰囲気。
 女子は女子でけらけら笑いっぱなし。ようやく体調が良くなったんだからまた体調を崩さないように、と話をしてあとは女性教員にお任せする。
 男子も遊びまくりである。座布団投げるわ、股間触りあいバトルするわ、すげー騒がしい。普段の様子とは全然違って、一番背の高い子が標的になって逃げ回っていた。「走り回るな」って言ってもまだばたばたしているので、その子をとっ捕まえてにぎにぎする(←なにを???)
 「まだまだ、だな」と言い捨てて終わりにし、布団を敷かせ電気を消す。「もう絶対に暴れるなよ」と言って教員ミーティングの部屋に行った。
 
 しばらくして他のクラスの担任がやってきて、「男子が大量に騒ぎまくっている」ということだった。
 大量の「反省の儀式」になったという。
 行ってみると、廊下に一列、ずらっと並ぶ男子生徒たち。
 「少し話をしているくらいならいいか」と思ったそうだが、プロレスなりなんなりをしていたのでこうなった、と言うのである。
 ウチのクラスの男子も一部屋、「反省の儀式」に加わっていた。
 やれやれ、である。
 
 
 とにかく中学生たちを寝かしつけるまで仕事が終わらない。
 3:00近くまで仕事をしてから寝ることとなる。ふー。

合宿2日目。

2004年7月5日 お仕事
 ハイキング予定の日。
 集合した時には小雨で、担当の先生は「決行!」って張り切ったのはいいけれど、あっという間に豪雨になってしまったり。
 途中で引き返し、余った時間は勉強というある意味サイアクな結果になってしまったり。
 生徒諸君も担当の先生も御愁傷様です(苦笑)
 
 で、ウチのクラスは大量の体調不良者。女子の半分以上。
 
 ちなみに引率教員の常識。
 熱がない。けれど気持ち悪い。
  イコール
 寝不足が原因の体調不良。
 
 要するに、夜はちゃんと寝やがれ! というところなのですが、実際にぐったりしている生徒にそんなことを言えるわけもなく。(←きっちり怒って「泣き面に蜂」の事態にしなければいけないのかもしれません)
 本当にきっちり寝起きしていて、それで体調不良になったかもしれない可能性も無くは無いし。
 こういう時は女性教員の方が対応の仕方に勝れているんだよね。
 んー。
 
 
 =============================
 
 ひさびさに大バカやらかしました。
 服装の禁止規定を聞き逃したらしくてウチのクラスだけ連絡が行き届かず、結果、良いと思っていた服を着ていた女子がとっても厳しい先生に見咎められて厳しく指導された、という。
 靴下だったんだけど、「裸足で過ごす」か「今まで履いたモノをまた履け」という指導になって、その女の子たちをものすごく泣かせてしまった。
 他の全クラスは知らされているのか、ホントにそこまで靴下について徹底されているのか疑問ではあるんだけれど、とにかく彼女たちに済まない思いをさせてしまったのは事実。
 せきね、平身低頭。
 「ルールを守れ」と言うからには、断固としてルールを示さなければならない。
 本当に申し訳ないことをしてしまった。
 
 部屋でもずっと泣いていて、他の女子が励ましたらしい。
 ん〜。

合宿初日。

2004年7月4日 お仕事
 8:30学校発。
 12:00宿泊施設着。
 
 
 開校式の後、学習開始。
 去年と比べて仕事の多さは予想以上だった。これでは自分の勉強をしているヒマがまったく無さそうだ。「いつ何処だって勉強はできる」のは真実だ。
 しかし、生徒に授業をしながら書籍をひもとくわけにもいかないだろう。インプットがなければアウトプットもないのである。困ったものだ。
 今のせきねにはインプットがほとんど無い。なのに現実の事態は次々と変化して絶えず選択を強要し続ける。ましてその選択が最良かどうか全く判らない。気が滅入る。

 自習監督の時間に、長崎向山塾の機関誌に目を通す。読みやすい。
 自習が終わってから、一番前に座っていたセイタロー君が関心を持つ。
 「センセの勉強している本?」
 「そうだけど?」
 「見せてください」
 ま、いいか、と思って渡す。日本でトップクラスの教師である伴先生の話がたくさん載っていることなんかを話す。
 日本でトップクラス。最高の小学教師。
 なのに今年度は担任を持たない。
 伴先生が強く担任を持つことを希望していたというのに。
 わざわざ最良の教育を遠ざけてしまうことに対する行き場のない怒りを感じた。
 まあ、セイタロー君は教員になる気もなく、ただ単にどんなものかな、と思っただけらしい。
 「秘密結社みたいだ」なんていう、やや謎な感想を残した。
 
 
 風呂指導。
 
 走らない。
 転ばない。
 泳がない。
 脱衣所をぬらさない。
 履き物・持ち物の整理整頓をする。
 
 去年はいっしょに入って指導していたわけだが、今年はそういうつもりはない。(実際に生徒といっしょには入浴しなかった。)
 当たり前だが、仕事をしながらでは風呂に入った気がしないのだ。
「センセ、風呂入らないの?」
「後で入る」
「なんでー?」
「オバタがちんちん覗くからヤだ」
 去年、熱いなか風呂に入りながら仕事をしていたら、オバタ君がうろうろしていたのである。「なんか近寄ってくるなあ」と思っていたら、ヲトナっぷりを観察されていたらしい。「でけー、ヲトナだー」とさんざん言われたのである。そんなにご立派ではないし見せびらかす趣味もないので、けっこう辟易していたのである。他の教員はそこまでしないようだったので、ボクも面倒になってやめた。
 だから今年は、半ズボンにシャツで汗をかきながら風呂の中を歩き回り、「泳ぐなー」「シャワーのかけ合いすんなー」「出る時には体拭けー」「桶を椅子の上に置けー(←ダジャレではない)」なんて言ってまわる程度にしたのである。
 普通に入浴している者はいいのだが、ふざけている者は大喜びではしゃいでいてかなり疲れる。
「毛ー、毛ー、すげー!」
「おめー、まだ生えてないんかよ?」
「ねーねー、センセ、どっちがでかい?」
「見せに来るんじゃねぇー!」
「えー」
「どーせお前らなんか大して変わらねぇンだから大事に隠しとけ!」 
 
 かんべんしてほしい。
 キミらが楽しむのは勝手だが、せきねは楽しくないから。
 
 
 全寮制の学校って、風呂とか日常生活の指導が多いよなあ。
 どうするんだろ。
 毎日のことだから、こんなにはしゃいだりはしないのかなあ。
 午前、事前指導。
 午後、合宿中の講座で用いる教材、最後の確認。
 河合塾センター模試の設問2(小説)を教材とする。
 
 中学2年生に、センター模試をぶつける。
 例によってせきねの直感と言いつつ「電波受信」である。
 
 左巻健男氏が言う「スパイラル・リピート」が気になるのである。
 「理科というもの」が中心にあり、その周りを螺旋を描きながら、各分野の単元が少しずつ繰り返されるなかで「理科の学力」が身についていく、という考えだ。
 
 国語なんかはまさしく「スパイラル・リピート」の教科だと思う。年輪を重ねるように、雪だるまを作るように、学力が構成されていく。
 そこで逆に考える。
 ひょっとしたら中学生でも、センター試験に用いられる文章であっても、慣れれば普通に読むことができるのではないか。
 生徒によっては、普通に解けてしまう者もいるのではないか。
 
 居ないと思うのだが、ひょっとしたら居るかもしれない。
 確認してみたくはなる。
 
 
 というわけで、これからしばらく合宿です。
 毎日毎日ことごとく何かが起きる日々で、落ち着くヒマもない。
 だれそれが体調を崩した。
 だれそれが仲違いした。
 だれそれが宿題をずっと出さない。
 だれそれが注意をしてもなかなか改めない。
 だれそれが注意をするとふてくされる。

 何が良くて何が悪いんだか、判断の付けようがない。
 良かれと思ってやっていることが、効果の出ているように見えない。
 どうすると良くなっていくのだか先行きが見えないことが、余計につらさを増す。
 
 要するに、自信がないのである。
 最善を目指して、最善を目指して、と掛け声をかけて、あれこれと弱気になっているのだ。
 そういうことに、気が付いた。
 
 「話聞けやコラ」という気迫が無くなりかけていた。
 都合のいいことばかり言う生徒に対して「ふざけんなばかやろう」と言ってのける気力が無くなりかけていた。
 
 こりゃいかん。
 丁寧であることと惰弱であることとは違う。
 いつも落ち込みかける淵に、今もまたはまり込んでいる自分を発見する。
 生徒と友人になることを望まれて教員をしているのではない。
 生徒に何らかの力をつけさせるために教員でいるのだ。
 特に中学生は好悪での状況判断が少なくない。気に入られないとうまくいかないなんてこともそれなりにある。
 けれど気に入られることを第一にしたら、それはあやまりだ。
 
 
 こんなことを再発見できたのは、村長くんのことを近いうちに学級通信向けの文章にしようとして過去日記を眺めたから。
 同じところで悩み込んでいる過去の自分を、遠くから眺めることができたから。
 有り難いことだ。ホントに有り難い。
 
 持つべきものは友人だあ。
 
 
 ちょっぴりだけ、合宿の引率に自信を持つことができた。

仕事場から。

2004年6月8日 お仕事
ログインしてみた。
ちなみに昨日より教員ひとりにつき1台のノート支給あり。
うーむ。

1 2 3 4 5 6 7 8

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索