雨が降る。人間が使うことのできる水が得られる。
 6月に雨が続くことによって、日本の豊かな風土は作られてきた。
 
 だから、「雨なんか降らなければいいのに」というのは、実はナンセンスな話である。
 「水は蛇口から出てくる」もしくは「水はペットボトルに入っている」という程度の認識だということを他者に告げているに等しい。
 
 「『魚は切り身で海を泳いでいる』と認識している子どもがいた」なんていうニュースが以前報じられていた。ジョークとしてはおもしろいが、そんな現状認識ではよろしくなかろうということは言うまでもない。
 
 
 雨が降る。それは必要なことだ。
 人知の及ばない世界で、絶妙なバランスの上に自然環境は成立している。
 
 
 たしかに雨の降る中を徒歩で移動するのはしんどい時もある。
 しかし、天候はどうしようもないことだ。
 何を思っても雨は雨なのだから、不満に思うぶんだけ自分が損をする。
 
 
 雨の日にも元気な君たちを見ると、ほっとする。
 どんよりと塗り込められた灰色に、ぽっと暖かくろうそくが灯るような、そういう穏やかさになる。
 
 
 ゆううつな雨の日にも、いつも通りに学校生活をつづっていくことができる。
 そういう人間関係を築くことのできた人生は、幸せだ。
 
「つきあいは学校で顔を会わせた時だけ」「なんとなくいっしょにいる時だけ」そんな人間関係では、いずれ、雨の降る日のわずかなゆううつさにも耐え難くなっていくだろう。
 
 人の心はその者自身のものであるから、他人には如何ともしがたい。
 それを理解しながらも、わたしは君たちには「小さいイヤなこと」にも負けない気持ちでいてほしいと願わずにはいられない。

「なんとなく」、やめよう。
 なんとなく遅刻。
 なんとなく机に落書き。
 なんとなくゴミを散らかす。
 なんとなく授業中寝る。
 
 ごく一部だが、わたしは心配している。
 人生でしばしば降る「雨」でも元気でいるために、必要なことを学校生活では学んでいく。無理なことは要求していない。
 ぜひ、当たり前のことを当たり前にやろう。

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