ISBN:4569637507 増尾清 PHP研究所 2004/08 ¥1418
 
 高校生の時からなんとなく疑問に思っていた。
 
 「四大公害病」を挙げるまでもなく、おれらが生まれる前から(特に日本には)さまざまな汚染が広がっている。もちろんアレルギーで苦しんでいる人はいるけれども、命に及ぶほどの被害がそう滅多に出ないのは何故だろう、と。また、本当に昔は汚染による被害はなかったのだろうか、と。
 
 ただ単に自分が知らないのか。
 これから自分たちの身に起こってくるのか。
 昔の人たちは汚染の被害が出る前に寿命の尽きることが多かったのか。
 
 自分たち一般人にできることは、座してただ待つのみなのか。
 
 奈良に大仏を作る時、銅を使ったことによる公害もあったらしい。中学か小学か、国語で田中正造の生涯を説明文で読み、衝撃を受けたこともあった。
 
 環境破壊。
 食品汚染。
 生きていくうえで逃れがたい災厄に、それからずっと関心を持ってきた。
 
 
 有害であるはずのものを食べ続け、なぜ元気なのか。
 弱い者から死んでいくのではなく、むしろずっと平均寿命が伸び続けている国、日本。
 
 この本は、おもしろい結論を出している。
 日本の調理方法に、有害物質を減らす役割があったのではないか、という。
 
  
 実用としてのインデックス方式なのだろうか、記述が重なる箇所もあったが、通して読んでしまった。とても興味深かった。
 「生きるための調理」「大切な人たち・家族を守るための調理」という観点もあるな、と思った。
 この有害物質がこのような影響を与えること、実際に有害物質が減ること、それらの確認も並行して調理実習をしたら、新しい家庭科・生活科の授業の地平がひらけそうな気がした。

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