せきねとは?
 
 
 せきねは「門を開く」。

 せきねの名前の字義で言うと、「世界の境界線にいて、新しい世界をひらく。」ということになる。
 こじつけと言えばそれで終わるが、けっこう気に入っている。
 
 少なくとも仕事をしている上で、せきねは「新しい世界」をひらき続けてきた。
 「新しい」とは、不安ということでもある。
 理解を超えていれば、嫌悪の対象にもなる。
 だが、「新しいことを知る」ということを止めてしまえば、人はそこで終わりなのではないかと思う。
 
 
 そういえば、自己紹介をあまりしたことがない。
「先生と言われるほどに馬鹿は無し」などという川柳があるくらい、「先生」と言われる職業の者たちの話はその良さに幅がある。
 耐え難いほどの長話が得意技になっているセンセイもいるし、聞いて涙が流れるようなすばらしい話をなさる先生がいる。
 
 もっと話を聞きたいと思えば、放課後にでも話ができる。
 長い人生、「声も聞きたくもない」というふうに思う人にも出会ってしまうものである。せきねがそういう人物となってしまったならば、そこを敢えて話をしても不毛なだけである。
 
 また、せきねの自己紹介をする時間があるくらいなら、漢検2級なり外部模試なりに向けて授業をした方が幸せであるとも思う。
 時間は再利用が利かない。
 ある意味で、時間は最も貴重な資源なのだから。

 今年度、たまには自己紹介をしてみようかな、と思った。
 いくばくかの興味を持ってくれている人もいるであろうから、それに対して答える必要もあるだろうし。
 
 せきね。某年某月某日生まれ。現在30歳くらい。妻子なし。
 埼玉県S市出身。実家の最寄り駅はJR某駅。
 地元の公立小学・中学を経て県立の高校に行く。男子校生活3年間を過ごす。

 S大学のK学部に進学。ここの大学はよく"学際的"という言葉で表現されるが、実際はそれぞれが好き勝手な勉強をしているところだった。おもしろかったので大学院まで行った。
 中国の農業の歴史を研究した。農書という書物を読んだ。漢文で野菜の育て方とか肥料のやり方とかを延々と読んだ。
 「日本で十指に入る研究者」と自他ともに認めている。
 日本で同じように農書の研究をしているのは7人しかいなかったから。
 
 大学院でのんびりしていたが、将来についてはなかなか決まらなかった。ゲーム会社で働くという選択肢もあったが、それは自分からやめた。(蛇足だが、プリクラで有名なアトラス、三国無双なんかのコーエー、"ファイナルファンタジー"シリーズのスクウェア・エニックスあたりに応募していた。将来性を見る目はそれなりにあったんじゃないかと思っている。ひょっとしたらそういう会社に入って、ゲームの攻略本なりを書いていたかもしれない)
 
 研究者になるか、高校のセンセイになるか、どうしようかと思いながら日々を過ごしていたところ、某学校で仕事が見つかって勤めることになった。
 K高校という男子校の教員をやった。古典を教えた。
 男子校でも女子校でもそうなのだが、通っている生徒たちは共学よりも素のままを出して学校生活を送っている。まあ、合宿で男子だけの時や女子だけの時を想像するとわかりやすいと思う。
 成績はともかく、"ばりばりのアンちゃん"から"おたく君"まで、相当に性格の差がある高校生たちだった。教えているようでいて、逆にずいぶん教えてもらった気がする。
 ただ、陰口だけはなかった。
 せきねが良ければ良いと言うし、ダメだったらダメと言われた。
 特に学生食堂が楽しかった。
 放課後は、安い値段でフライドポテトを揚げてくれていた。せきねも夕方に腹が減って、買うのである。「センセー、おごってくれー」って男子高校生たちが寄ってきて、あっという間に全部食べられてしまったことがあった。
 そのお返しに、いっしょに昼飯を食う時にそれぞれカレーを頼み、その生徒のカレーをごっそりとせきねの皿に盛りつけて平らげたこともあった。
 
 全寮制の学校の話もあったが、、結局縁あってこの学校に転勤することになった。
 3年前のことである。
 高校1年の担任をして世界史を教えた。「中国の歴史」をやっていたからであった。
 「板書は多く、おまけに良くしゃべる」というスタイルはここらへんでできたのかもしれない。
 当時担任した生徒たちは、成績は相当悪かったが、「人として大切なこと」は何よりもよく判っている生徒たちだった。
 ちっとも勉強しないくせに、トイレが壊れて水浸しになっていたら突入して元を直すぐらいのことは平気でやった。学級会では「だりー」「マジー?」と言うくせに、一度決まったことに対してはクラスメートを裏切るようなことは絶対にしなかった。
 
「楽しい学校生活を送った上に、生徒たちに実力をつけさせたい」
「あとで苦労する楽しい生活」ではなくて、「いざとなった時にもいい結果を出せる楽しい生活」を送ってほしい、と思うようになった。
 ある意味では気まぐれに教員になってしまっていたのだが、いつしか教員以外の選択肢を考えなくなった。
 
 ともかくも本気になったせきねを現在の校長が見ていたのかどうかは判らないが、中学の教員をするようにという指示が来た。規模を大きくして中高一貫教育を行う。前例は無いに等しい。予想外のことがいくつ起きるか判らない。けれどやれ、と言うのである。
 「……ホントかよ」と思ったが、それもまた人生だろうと引き受けて現在に至る。
 「言っただけじゃ判らない」「話をしてもときどき都合良く忘れてみせる」という点が一番驚いたが、君たちを見ていて「こいつはどう変わっていくんだろう」と考えるのはけっこう楽しい。

 趣味。
 植物の栽培。今はほとんどやめている。
 人間観察(?)。なんて言えばいいのかよく判らないが。「人の生き方」に対するこだわりは相当ある。
 インターネット。無人島に行ってもインターネットは見たい。(無茶である) 
 読書。マンガと教育書はけっこう買うし、ビジネス書なんかも読む。
 
 実のところ、週刊誌・テレビにはほとんど縁がない。続けて見るのが難しいからだが、話題になったものを勧められて、見て、おもしろいと思うことはしょっちゅうある。ブームの終わりかけにはまるのである。だから流行のものに対してはよく判らないことが多い。
 
 
 続きは放課後や、保護者会に。
せきねは過去に近々結婚するかどうか保護者会で聞かれたこともあり。なんとも言えない楽しいお母さま方であった。
 (保護者会は可能な限り"懇親"会にしたいと思っています。)

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