合唱祭を終えて
 
 どのクラスもひたむきであった。それぞれに良さがあった。
 
 わがクラスの合唱も、とても良かった。
 金曜の音楽の時間で急遽大幅なアレンジを加えたとは思えないくらい立派であった。
 聞いていて、今までで一番良かったのではないかとも思った。
 
 伴奏、指揮ともに、それぞれ非常によくがんばったと思う。
 合唱で舞台に立つのも緊張する。
 しかしそれに増して、伴奏を一人で受け持つこと、皆と離れたところで指揮を執ることの重圧や緊張は表現することが難しい。
 
 先週、38人ぶん全員の意見をすべて紙面に載せた。
 そのほとんどは、単純に賞を獲得することではなく、「良い合唱の向こうにある何か」を求めようという意見だった。
 
 それを求め、そして得られたかは、舞台に立った各個人がそれぞれ知っている。
 
 せきねは、38人全員が舞台に立ち、心を込めて合唱をしている姿を見守って、極上の時間を過ごした。充分すぎるほど満足だった。

 合唱祭に向けて行ってきたことは、持っている能力を総動員する勉強であった。
 発声や音程などの音楽的内容は当然重要となる。
 そしてさらに、朝きちんと起きる力。
 時間に集合する力。
 辛抱強く訓練を重ねる力。
 状況を判断する力。
 周りへ気配りをする力。
 ひとつの姿勢を保持する力。
 緊張に耐える力。
 歌詞の意味を読みとる力。
 合唱に必要とされる力を考えると、それはいずれも社会的な人間としても必要とされる力に通じる。
 誠実に、熱心に取り組んできたぶんだけ、確実に成長している。
 運命を力強く切り開いてゆく、"スゴイ自分"になっていくことができる。
 苦労したぶん、ただの石が削られ磨かれて宝石となるように、立派になっていく。
 
 中学3年では音楽の授業は無い。
 練習も、曲の表現も、ほとんどすべてを生徒の中から生み出すこととなる。
 その中で、来年度の君たちがどれだけすごい合唱を持ち寄ってくるか、楽しみである。

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