部活動で、百人一首をやっている。
 たとえば雨天で運動部の活動ができなかったりした時など、部員以外にもけっこうたくさんの生徒がやってくる。
 
 それなりにのんびり楽しんでやるわけだが。
 今日の生徒たちは、遊戯王カードの話で盛りあがった。
 
 そして生徒たちは言うのである。
「センセ〜、遊戯王のカードの部活、やりたいっす〜」
 
 答えはひとこと、「だぁめ!」なのである。
 
「なんでですか〜」
「どーせそういう部活があったって、授業中にカードをこっそり出して見ていたり、全然勉強しなくなったりして、あっという間に禁止になって終わっちゃうことが目に見えているから」
 
 せきねが新しく文化部をやれ、という下命を受けたとき、千葉県内でwebページを持っている中学すべてと、東京にある主な私立中学(中高一貫を含む)とに作られている部活動を調べ上げたのである。
 そして、"生徒の受け入れる文化部"としては、アニメ研究会とか鉄道研究会とかいった部活動を新設したほうが良いのではないかという意見を述べたのである。
 
 結果は否であったから、今は百人一首をやっているわけだが。
 
 私立の、いわゆる有名な学校には、(現実的な活動状況はまた別な問題として)実に多彩な部活動や同好会がある。遊びっぽいなあ、と思えるような活動内容のものもある。
 逆に言えば、多彩な部活動や同好会があっても、学校全体には大きな問題はないのだろう。
 
 生徒には、そういういきさつを話した。
「開成とかだと、おもしろい部活あるんですかねぇ?」
「あるんだろ、きっと。もしかしたら遊戯王カードで遊んでいたりして、でもそれでも、勉強とはきっちり区別できるんだろうな」
「つまんないなー」
 
「問題は」と、敢えて言っておいた。
「開成は何年もの歴史が積み重なって、そういうふうになった学校なわけだ。ウチのガッコはどうなんだよ。中学が始まって数年なのに、宿題やらないヤツ居るわ、なんかカンチガイしているヤツ居るわ、ほんの少しの時間で『ダメだ』って大人に思われちゃうんだから、どうしようもないよな」
 
 生徒たちは「うーん」と考え込んでしまった。
 
 じつのところ。
 ある意味ひどいことを言われたとしても。
「それでもやりたいっす」と言ってほしかった。
「じゃあ、イヤだけど勉強していくしかないですよね」と言ってほしかった。
 自分たち自身が、今まさに歴史を作ろうとして最中であるということに気付いてほしかった。
 
 気持ちも能力もまだまだだな、と思わざるを得ないのは悲しい。

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