先に言っておくと、マトモに文化祭を見て回ることができなかったのはたしかである。
 
 まあ起こった事件それぞれが微罪といえば微罪であって、大ケガしたとか外部の者と揉めたとかいうものでないだけマシではある。
けれどひとつひとつの事件には必ず対応し、学校の拠って立つルールから解決の方法を探さねばならない。

 かつての同僚が来校しても満足な話もできなかったり。
 高3生たちが「せきねセンセ〜」と駆け寄ってきて、「ウチのクラス、劇、すごいから、がんばったから、ぜっっったい見に来て!」
なんて言われても廊下側の飾りつけの前を通り過ぎるだけだったり。
 「ウチの、美味いから。来て来て〜」なんて寄ってくる高3生たちが、ことによるとタダ券をくれようとするのを止めて、「大繁盛、すごいねぇ。来てくれた人においしいモノ作ってるんだね」って言って、心づかいは丁寧に断ったり。
 
 合唱に取り組んだり。
 軽音楽演奏に取り組んだり。
 ダンスに取り組んだり。
 ありとあらゆるかたちで最後の文化祭を盛り上げている高3生たちが、かつて1年だけ、それも週に2時間授業に入っただけのおれを覚えている。
 そして、声を掛けて、誘ってきて、最高の時間を過ごして、少しでも分かち合いたいと思ってくれる。

 せきねなんぞ無視して、そのままやっていても大人気なのである。
 それでも、おれを見つけるとにこにこしながら駆け寄ってくる。
 
 自分のクラスに戻る。
 やる気のある生徒は、たくさん居る。
 本当に、頭の下がるくらい誠実に自分で仕事を見つけている者もいる。

 地道で誠実な学校生活を続ける生徒のために、おれはやるべきことをやろうと思う。

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