「試験後のごほうび」と半ば意味不明のことを言いながら甥っ子が泊まっていった。予定の確認と親御さん(=いとこ)の承諾があれば、まあ断る理由もなく。
 
 いつもながらに何が良くてやって来るのか不思議なのだが、「適度な放置っぷりが良いんだよね」だそうだ。
 ま、ウチ、楽しむモノほとんど無いから。
 そもそも、あんま客だと思ってないし(^^;
 
 ゲームして、マンガ読んで、ごろごろして。
 近くの中華屋へ飯食いに行って。
 
 で、夜になったら勉強をしだした。
 「テスト終わったばっかりなのにがんばるねぇ」って言った。
 「ひょっとして、あんまり良くなかったとか?」
 
 「んー、来週返ってくる。…多分、そんなに悪くない。今回は全部の科目を勉強したから、国語は前より下がるかもしれないけど」
 ごろんと寝っ転がって、言う。
 「なんか。中間とか、どうでもいい。模試、がんばってみようかな、って」
 
 甥っ子は、国立の大学に行ってみたいかな、と言っていた。
 なるべく早く独り立ちしたいけれども、今の世の中を考えると大学は出ていた方が良さそうで、学費の安いところが良いのだそうだ。
 …ま、この子が独り立ちしたいと思うだけのことは、たしかにいろいろあった気がする。
 けれども今までになかったのは。
 ただ怒るだけではなくて、現実を考えて、自分のことを自分で決めようとしていることだろうな。
 
 えらいねぇ、と言ったら。
 おれのせいでそう考えるようになった、と言う。
 「『誰のものでもない、自分自身の人生だ』って言っていたことが、ようやく解ってきたような気がする」とか。
 
 「考えたら、内部進学じゃなくて外部の高校を受験をすることになったとき、学校なんか行かなくても良かったんだ。義務教育はそこで終わりだし。けど、オレは受験して、進学校へ通うことにした。…親の意見じゃなくて、オレが決めた。ともかくオレが決めた。それでオレが勉強しなかったら、オレはおもちゃを欲しがって泣く、我が儘なガキとおんなじだ。…そんな自分は、イヤだから。それに、親にも迷惑かけたし。オレが少しがんばって、親も安心して、オレ自身がイヤにならない生き方ができるといいな、と。…なんか上手く言えないけど」
 
 正直、感心した。
 それこそ生まれてすぐ病院で保育器?に入れられていた姿から、ずっと、いろいろな姿を見ていたから。
 高校生って、やっぱりもう大人なんだなぁ。
 その一方で、自分は歳取ったんだなぁと思ってしまったよ。うーむ。
 
 
 で。
 「勉強教えて」と言われた。
 「ワタシ教えるのはシゴトですから。今は営業時間外ですので!」と華麗にキック。
 「いいじゃん! ちょっとぐらいオレのこと『良い子だな』とか思ってくれたでしょ?」
 「いぃや、思わん。自分で自分のことを『良い子』言うな!」
 「ひでぇー! …ぐれるよ?」
 「誰のものでもない、自分の人生だ。勝手に不良になってしまえw」
 
 やっぱ高校生はまだ子どもかいのぅ…。

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