新年度の式典ふたつ。
 
 
 表現の非礼を承知で、客観的に述べれば。
 欠点の無い者などこの世にいないのであって、校長にもまた至らぬ点はあるのだろうが、少なくとも集会の時の校長は誠実な振る舞いであるとわたしは感じる。
 
 ステージに上がる際に、国旗校旗に礼をして登壇する姿。
 表彰状を生徒へ手渡す際に、いくばくかのユーモアと激励と喜びとを込めて「おめでとう」と声をかける姿。
 わたしにとって、それは真剣に学ぶべき先輩の在りようだ。
 
 
 その一方で。
 集会を見渡すと、思った以上に恩知らずが多い。
 
 校歌を堂々と歌うことのできない中高生。
 何ヶ月に1回の、たかだか20分の講話を、静かに顔を上げて聞くことのできない中高生。
 
 わたしには、とてもおかしいと思えてならない。
 生徒たちの良い姿をずっと見ているだけに、なぜここまでだらしないのか、腹立たしくてならない。
 
 ごく一部の生徒たちは、校長みずからの決断によって退学を免れているという事実さえ、都合良く忘れたふりをしている。
 なぜ自分は通学し続けていられるのか、理解していない。
 
 早く気付いてほしい、と思う。
 中等部は現校長が設立に深く関わっているがゆえにその願いが色濃く反映されているが、高等部には50年の歴史があり、たとえどんな教職員とておいそれと建学の精神を枉げることは許されない。
 
 すなわち、厳しき自律の精神。
 
 「己自身を反省せよ」とのただ一言で、成績と素行の次第で進学・進級を認めない学校は今なお多くあり、この学校もかつてはそうであった。
 それを。
 一時の過ちで生徒を切り捨てるかのような態度は教育の場にふさわしい姿勢ではない、と主張するのである。
 
 その高潔な主張によって今なおここで学ぶことを許されている者が、一番の放言と放逸にまみれています。
 それでも堅持なさる御旗に、敬意を抱きます。
 
 
 しかし。
 
 
 わたしは迷います。

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