学年末試験の一番最後。
 試験監督で、授業を担当していないクラスへ行った。
 教室に入ったときに。
 ホントに、今年度いっぱい縁がなかった教室だったなあ、と今更ながらに思った。
 
 もちろん、担任しているクラスに一番の執着がある。
 冗談ながら平然と「おまえらがケンカをしたら、おれは一方的に○○を信じる。なぜならおれが担任しているからだッ!」などとたわごとを言うくらいには。
 
 けれども、良いクラスだなぁ、としみじみ思ってしまった。
 おれがかなーり尊敬している同僚が担任するクラスなのである。
 真剣に、どういう指導をしていくとこういう雰囲気の生徒集団にたどりつくのだろうと知りたい気がいっぱいである。機会があったら、ぜひ副担任をさせてもらって勉強したいと思う。…でも今のところ、そんな機会をわが校長は与えてくれそうにないが。
 
 
 誰にそう言われたわけでもないが。
 おれが担任チームのひとりでいる限り、国語でその学年団にひどい迷惑をかけることは避けたい、と願ってきた。
 (…それでも国語科チームや学年団などの多くの教職員に迷惑をかけていなかった筈もなく、恐縮の限りである)
 
 今年度の初めに継続して中等部3年チームの担当となった時、当然のことながら、学年全クラスの国語をおれひとりが担当できるはずもなかった。
 だからたしか、通常の授業・国語講座ともに希望を出したように思う。
「修学旅行で引率するクラスは全部、授業の担当をしたい」と。
 
 そして。
「いちばん大丈夫そうな組は、他の担当者に」
 
 自分ならばどんな大変なクラスでも授業がうまくできる、などと思ったのではない。
 最もこの学年に関わり続けてきた自分が。
 逃げるように、"授業のしやすいクラス"の担当になったら。
 それで、同僚たちと生徒にどう顔向けができるのだ?
 
 無能なうえに卑怯であったら、おれは自分が許せなくなる。
 そんなに強くもないけれどそう思い、途中、転んで倒れたけれども、なんとか3年間を走りきった。
 
 
 授業時数の最後、学年末試験の最後の時間に。
 このクラスに来て、そうして中等部を締めくくる。
 それは、なんだかプレゼントをもらったような気になった。
 
「最後の最後まで、不正行為の無いように」
「真剣にやりなさい」
 ひょっとしたら、他のクラスで語ってきた1年間ぶんの思いを込めていたかもしれない。
「……カンニングは」
「"頭が良いから"、"バカだから"、やってしまうのではないのです」
「"心が弱いから"そういうことをしてしまうのです」
 笑いが起こる。
 それもまた、良い雰囲気に思えた。
 
 
 堂々と、在れ。
 
 そう思いながら時間を過ごし、無事に終わる。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索