党首討論 民主、新証拠示せず メール真偽立証断念かで。
小泉純一郎首相と民主党の前原誠司代表による党首討論が22日午後、国会内で開かれた。ライブドア前社長・堀江貴文被告から自民党の武部勤幹事長の二男への「送金」メール問題について、民主党が信ぴょう性を立証できるかどうかが焦点だったが、前原氏は「さまざまな情報から資金提供がなされたのではないかと確証を得ている」と指摘するにとどまり、新証拠は示せなかった。これは民主党がメールの信ぴょう性の立証を事実上断念し、資金提供の有無に争点を変更したものと言える。前原氏はこれまでメールについて「信ぴょう性は高い」と述べてきており、今後、前原氏をはじめ民主党執行部に対する批判が高まりそうだ。
党首討論で前原氏は「金融機関名は出す」と述べたうえで、「国政調査権(発動)に応じるなら、口座名、口座番号も含めて提示すると言ってきた。なぜ応じないのか」と述べ、国政調査権発動による事実解明を求めた。しかし首相は「その前に本物という証拠を出せば、国政調査権を行使するまでもなく分かる」と拒否。さらに「本物か偽物か分からない段階で、実名まで挙げて、個人を中傷するのは国会議員としての品性の問題で、極めて遺憾だ」と民主党の対応を厳しく批判した。
一方、党首討論直前の衆院予算委員会理事会で、民主党はメール問題にからみ、「送金に使われた銀行名を提示する」と自民党側に提案した。民主党は口座に関する情報は国政調査権の発動と一体でなければ示せないとしてきたが、銀行名に限っては無条件で提示するとした。これに対し自民党は「銀行名だけでは真相の解明は出来ない。いつ、誰がどの口座にどの振り込みをしたのかなどセットで提示してほしい」と拒否。このため、実際には民主党は銀行名を明らかにしなかった。【平元英治、衛藤達生】
■22日の党首討論でのライブドア前社長の堀江貴文被告から自民党の武部勤幹事長の二男への「送金」メール問題をめぐる主なやり取りは次の通り。
前原誠司民主党代表 堀江被告を、自民党は先の総選挙において準公認候補並みの応援をし、政府与党がライブドアというものに対する裏書をした。我々は、単に応援をしただけでなく、資金的なやりとりがあったのではないかと、さまざまな情報から確証を持っている。メールの問題を含め、さまざまな情報から資金提供が武部幹事長の二男になされたのではないか、そういう確証を我々は得ている。今日の予算委員会理事会に、具体的な金融機関も出すと(言った)。国政調査権に応ずるということであれば我々は、口座名、口座番号も含めて提示をするので、元帳を出してほしいということを言ってきた。なぜ国政調査権に応じないのか。後ろめたくないなら国政調査権に応じて白日の下に明らかにしたらいいと思うが、見解を聞きたい。
小泉純一郎首相 私は個人的な名誉にかかわる問題について、確証を示して批判なり、非難なりするのは、国会だから別に批判すべき問題でもないとは思う。だが今回の、個人の名誉を傷つけるような問題に対し、掲げたメールの信ぴょう性、証拠について、本物か偽物か分からないという段階で、実名まで挙げて、個人を公の場で批判する非難する中傷するのは、国会議員としての品性の問題というか、極めて遺憾なことだと思う。私はこの問題は極めて簡単なことだと思う。私は永田寿康議員を攻撃しているのではない。永田議員が一方的に、本物か偽物か分からない情報を元にして、あたかも本物であるかのように具体的な個人を非難、中傷している。これについてはもう1週間ほどたっている。それなら、ちゃんと具体的な証拠を掲げて、偽物ではありません、本物ですと言えばすむ。にもかかわらず、出す出すと言っていまだに出していない。国家権力の行使について私は、極めて注意深く慎重に行使していかなければならないと思っている。国政調査権を行使するかどうかについては予算委員会の理事会で議論を続けていると聞いている。政府の立場としては、国政調査権というのは行政府に対してこのような権力を行使するという、国会が命令するわけだから、確かな証拠があれば行使するにやぶさかではないが、その前に極めて簡単な、本物だという証拠を出せば、あえて国政調査権を行使するまでもなく分かる。
前原氏 確証は出すと言っている。国政調査権とセットに、それをしっかりとやってもらえるかどうかということを大前提として出したいと言っている。国民から見て権力は政府与党にある。実際問題、我々が口座番号も含めて明らかにした場合、国政調査権を行使してまでそれを明らかにするかどうか分からない。明らかにされないまま我々にだけ情報を出せと言って握りつぶされたら我々はカードがなくなる。我々は野党で、時の政権に権力を持っていない。だからこそ元帳についての国政調査権を明らかにしてもらえば、証拠を出すと言っている。それを出さずして我々が非難されることはない。
(毎日新聞) - 2月23日10時2分更新
メール立証困難 永田議員、辞職の意向 進退を幹事長一任 民主緊急役員会いやはや、これを粗忽者と言わずして何と言おうか。
民主党の永田寿康衆院議員(36)=比例・南関東=が二十三日、党幹部に「堀江メール」問題の責任をとって議員辞職する意向を伝えた。メールの信憑(しんぴょう)性を証明できないと判断した。これを受け、民主党は同日午前、国会内で緊急役員会を開き、鳩山由紀夫幹事長に対応を一任することを決めた。メール問題が永田氏の進退問題に発展したことで、党内からは前原誠司代表ら執行部の責任を問う声が高まりそうだ。
鳩山幹事長は二十三日午後、党代議士会で、永田氏の扱いについて「メールの信憑性で確証を得るところまでいっていない。本人の気持ち、国民の気持ちをしっかり受け止めて結論を出していきたい」と述べた。
民主党幹部によると、永田氏は同日午前、党幹部に電話で「辞職を決めた。もう一度出直す」と語ったという。衆院予算委員会で永田氏に質問させた野田佳彦国対委員長も一時、委員長職の辞意を漏らした。だが、野田氏が辞任すれば前原代表の責任問題に波及する可能性があることから、党幹部が慰留した。
永田氏は今月十六日の衆院予算委員会で、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者が自民党の武部勤幹事長の二男へ三千万円を送金するようメールで指示していたと追及。同日の記者会見では「ある記者から入手後にさまざまな調査をして、メールのやりとりが行われたとの確信を持っている」と強調。前原代表も二十二日の党首討論で「確度の高い情報だ」と強調したものの、新たな情報は示せなかった。
安倍晋三官房長官は二十三日午前の記者会見で永田氏が議員辞職の意向を示していることについて、「この問題をそもそも取り上げたのは永田氏であり民主党だ。メール自体がまったくの偽物だったとすれば、大きな責任があるのは当然だ」と強調。武部幹事長は都内で記者団に「永田議員一人の問題ではなくなってきている」と指摘した。
一方、武部幹事長の二男は同日未明に談話を発表。堀江容疑者やライブドア側から「一切の資金提供を受けていない」とし、前原代表が言及した(個人や法人名義の)海外口座の存在についても「有していない」としている。
≪懲罰動議度々 爆弾質問ついに自爆? 軽率発言で毎度お騒がせ≫
国会での“爆弾質問”から一転、自らの議員バッジを失いかねない状況に追い込まれた永田寿康衆院議員。これまでも「不適切な発言」などが問題視され、度々懲罰動議の対象になってきたが、「今回ばかりは精神的に追い詰められている」(民主党関係者)。このままでは国会の「爆弾男」から「自爆男」へと、ありがたくないニックネームをちょうだいしそうだ。
永田議員は平成五年に東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。十一年に退職後、十二年の総選挙で初当選した。現在、三期目で昨年九月の総選挙では千葉2区から出馬したが、落選し、比例代表で復活当選した。
初当選後、一躍「有名」になったのが十二年十一月、国会の壇上から松浪健四郎議員にコップの水をかけられた“事件”。最前列に座っていた永田議員が、松浪議員に下品な野次を飛ばしたことが原因とされたが、この時は松浪議員だけが懲罰の対象になった。
永田議員自身も、議院運営委員会の開会をめぐって与野党がもみ合いになった際、「与党議員や衛視に暴力を振るった」(十二年十月)、衆院・倫理選挙特別委員会で「風聞をもとに公明党の支持団体が住民票を移したと発言した」(十七年七月)などで度々、懲罰動議の対象となった。
国会以外の場でも昨年十二月、地元の国政報告会で耐震強度偽装問題に触れ、「住民は火をつけたくてしようがない。阪神大震災では災害指定ほしさに被災者が火をつけてまわった」などと問題発言、謝罪に追い込まれた。
失笑を買うようなパフォーマンスも多く、十五年には名古屋刑務所で受刑者が高圧放水で死亡した事件を受けて、消防ホースで自ら「再現実験」を行ったが、実際の水圧はその十分の一だったことが判明し、民主党が謝罪した。また、昨年七月には、国会の質疑中、手元の紙で折り鶴を折っていたことも批判された。
(産経新聞) - 2月23日16時29分更新
級友を故なく罵倒して楽しむ、ウチの中等部の一部生徒の姿を思い浮かべてしまったのは、正直な事実である。
なんとも悲しく、なんとも醜い。
素直になればどんなに良い子なことだろうに、といつも慨嘆するのである。
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