「中高一貫」173校に増加 学力低下懸念で人気
中学、高校の六年間を連続したカリキュラムで学ぶ「中高一貫校」は今年度、全国で173校となり、昨年度から20校増えたことが18日、文部科学省のまとめで分かった。平成11年度の制度発足以降増え続けており、来年度以降も49校が設置を予定。子供の「学力低下」を心配する親の人気を集めている。
173校の内訳は、国公立が123校、私立が50校。国公立は42都道府県に設置され、32都道府県には2校以上がある。これまで設置されていなかった栃木県では、今年度初めて私立4校が認められた。県内に国公私立含め1校もないのは、富山と鳥取のみ。
中高一貫校には3種類あり、当初3年を前期課程、残り3年を後期課程として、中高を一体化させた「中等教育学校」が19校。同じ敷地内に中学と高校を併設し、高校入試を行わない「併設型」が79校。市立中学と県立高校のように設置者が異なる中高を連続したカリキュラムで結び、高校入試で学力テストを課さない「連携型」は、公立中心に75校となっている。
学校側は少子化の中で早期に生徒を確保でき、生徒側は高校入試に振り回されず、余裕ある学校生活を過ごせるなど、双方に利点があることが隆盛の背景のようだ。
11年度から制度化された中高一貫校には、6年間連続した教育課程を組み、中学から高校への進学時に学力テストを行わないという要件がある。このため、開成(東京都)や灘(神戸市)といった私立有名校の大半は含まれていない。
(産経新聞) - 5月19日2時46分更新
中高一貫校 「6年」生かした特色魅力
英語漬け/留学勧め/規律前面
子供の「学力低下」を背景に、人気を集める中高一貫校。一般の公立がゆとり教育の影響で学習時間確保に四苦八苦するなか、中高が分断されず、学習時間を確保しやすいことや、高校受験に悩まされないことがその理由だ。公立の場合、私立に比べ学費の心配が少ないことも人気の一因とみられる。
今春開校した都立白鴎中学(東京都台東区)では、一般枠入試で14.2倍の高倍率を記録。名門の九段中学を再編して来年度新設される九段中等教育学校(東京都千代田区)も「地元の要請もあり、受験指導に力を入れる」と宣言しており、生徒が殺到しそうだ。
首都圏の公立学校の“変身”には、優秀な生徒が私立に流出するのを防ぐ側面もある。平成20年度には、千葉県内トップの進学校である県立千葉高校も中高一貫校に衣替えする予定だ。
魅力は、高校入試がないことや受験対策の充実ばかりではない。6年間を見越した教育課程を作成できる利点を生かし、各校とも従来の学校にはないさまざまな試みを取り入れている。
小中高一貫校として今春、まず小学校が開校した群馬県太田市の「ぐんま国際アカデミー」は、外国語教育特区の認定を受け「英語漬け教育」を実践。算数、理科、図工、音楽などもすべて英語で教える。12年間の英語による授業は、1万時間近くになるという。
そのほかにも秋田県立大館国際情報学院のように、中学校で海外ホームステイを経験させ、高校では留学を推奨するところもあり、「英語教育」「国際人養成」は中高一貫校の大きな柱となっている。
「企業による教育改革」をめざす学校もある。来春開校予定の海陽中等教育学校(仮称=愛知県蒲郡市)はトヨタ自動車、中部電力、JR東海が母体。全寮制の規律ある生活を教育方針に掲げ、将来の日本を背負う財界人の輩出を目標にしている。
(産経新聞) - 5月19日2時46分更新
……ふたつの記事をメモとしておいたけれど、日記を書くのをやめる。
どう穏便な表現を心がけてみても、意見が辛くなったので(汗)
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