韓国のカンニング事件、新たに82人摘発…全国に蔓延
【ソウル=豊浦潤一】携帯電話を悪用した韓国の大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)のカンニング事件を捜査している警察当局は30日、南部・光州市の集団カンニングとは別に、ソウルや忠清南道などでも受験生82人がカンニングしていた疑いが強まったと発表した。
不正が全国に蔓延していた実態に教育界は改めて衝撃を受けている。
光州の集団カンニング事件で、警察はこれまでに17高校の受験生ら約180人を摘発。この集団は、成績優秀な受験生に試験場から携帯電話を使って解答を外部で待機する後輩に送信させ、後輩はこれを集計して他の受験生らにも打ち返していた。ただ、インターネットでは、光州以外でも不正があったと告発する書き込みが相次ぎ、李海(イへチャン)首相は、警察に徹底捜査を命じていた。
韓国メディアによると、ソウル警察庁サイバー犯罪捜査隊は、試験の大部分が五者択一のマークシート方式である点に着目。まず試験日の11月17日に全国で発信された2億件以上の通信記録の中から、試験時間帯に発信された1から5までの数字だけで構成された文字メッセージ約25万件の記録を、移動通信会社2社から押収した。
捜査隊がこのデータを分析した結果、ソウルの4組10人、忠清南道の2組4人、光州市・全羅道の15組68人の計82人の間で交信されていた計550件が、それぞれの時間帯に実施されていた各科目の正解の数字列に近いことが判明。82人は、ほとんどが受験生の年齢にあたる18、19歳だったことも突き止めた。警察は近く、82人の事情聴取に踏み切り裏付け捜査を進めるとともに、他の移動通信会社からの通信記録も調べる方針。
(読売新聞) - 11月30日21時49分更新
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「携帯カンニング予見」情報を確認もせず削除
「この書き込みをする瞬間も手が震えてきます。繰り返しお願いします。今回の修学能力試験(修能、日本のセンター試験にあたる)では徹底した監督をしてください」
「光州(クァンジュ)で勤務する高校3年の担任です。修能のカンニングに関するたくさんの書き込みを見て一言書きたいと思います。これらの主張が事実であるならば、警察庁に捜査を依頼してください」
修能の11日前から光州市教育庁のホームページ「ヨルリン(開かれた)掲示板」にはこのような内容の書き込みが幾つも目に付いた。こうした書き込みは一様に修能カンニング事件を“予見”し、対策を求める内容だった。それぞれの書き込みを数百人が読んでいた。
修能が近づくにつれ、受験生と父兄からも“警告”が相次いだ。
「修能を8日後に控えた受験生です。カンニングとは呆れてしまいます。試験会場に電波発生防止機でも設置した方が良さそうです。根本的に携帯電話が使えないように。今回、カンニングによって高得点を獲得したという人が多ければ、良心的に試験を受けた受験生たちは黙ってはいないでしょう」
高校名を実名で記載し、「こんなにたくさんの高校が加担しているのに、対策は立ててあるのか」と問う書き込みもあった。
ハンドルネーム「父兄」という人物は、「組織的に携帯電話や無線機から正解が送信されてくると、トイレに行って答えを書いてくるなんて、これを一体どうすればいいのでしょうか。昨年もこのような事があった云々、修能の日に成績が30点上がった云々、こんな話が飛び交っていました。監督官の人数を増やし、徹底して監督すべきです」という書き込みを残した。
このような書き込みは修能が終わった後も続いた。
「昨日、K高校で試験を受けたC高校の生徒たちがすごいカンニングをしていたそうです。携帯電話でずっとカンニングをし、試験中にベルが鳴ったこともあったのに、監督官は見て見ぬふりをし、カンニングに成功して嬉しそうにしている表情はほんとうに醜かったそうです。休み時間、トイレではずっとカンニングの話ばかりをして…、たばこを吸って…。私の話が信じられないなら、生徒たちにアンケート調査をしてください。聞いたところでは、もともと外国語が30点にもならない奴らが、今回の修能では90点以上正解できたそうです」
このような書き込みの内容を光州・東部警察署が発表した捜査結果と比較してみると、驚くべき正確さだ。捜査過程で明らかになった“選手”“観客”“コーチ”の名称もすべて登場している。「コツ、コツ」と携帯電話を叩いて答えを送信する方法も正確に指摘されていた。
金額まで正確な場合もあった。某受験生が掲載した文には「勉強のできる子(選手)、カンニングを希望する子(観客)、そして、このカンニングを組織し、管理する人(コーチ)に分けられるが、コーチらは選手らを一科目当たり30〜50万ウォンで買収します。携帯電話をジャンパーの中、または上着の中に入れ、その問題に当該する答を叩いて旅館にいるコーチらに伝達する方法です。すでに、学校や塾で練習したが、何ら問題なく無事にやってのけるのを見ました。筆者も金さえあれば、やりたいです。果たして、どう対処しますか。このまま、崩れるだけでしょうね」という内容が出ている。
しかしこのような情報はすべて無視された。この文を見た光州の某高校場らが「学校の名誉を毀損する」とし、削除要請をして来ると、市教育庁がこれを受け入れたためだ。
それだけではなく、光州市教育庁はこのような情報を削除した後に作成した内部文書に、「確認結果、虚偽事実を流布したものと把握された」という理由を堂々とつけて置いた。
光州=特別取材班
【ソウル=豊浦潤一】携帯電話を悪用した韓国の大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)のカンニング事件を捜査している警察当局は30日、南部・光州市の集団カンニングとは別に、ソウルや忠清南道などでも受験生82人がカンニングしていた疑いが強まったと発表した。
不正が全国に蔓延していた実態に教育界は改めて衝撃を受けている。
光州の集団カンニング事件で、警察はこれまでに17高校の受験生ら約180人を摘発。この集団は、成績優秀な受験生に試験場から携帯電話を使って解答を外部で待機する後輩に送信させ、後輩はこれを集計して他の受験生らにも打ち返していた。ただ、インターネットでは、光州以外でも不正があったと告発する書き込みが相次ぎ、李海(イへチャン)首相は、警察に徹底捜査を命じていた。
韓国メディアによると、ソウル警察庁サイバー犯罪捜査隊は、試験の大部分が五者択一のマークシート方式である点に着目。まず試験日の11月17日に全国で発信された2億件以上の通信記録の中から、試験時間帯に発信された1から5までの数字だけで構成された文字メッセージ約25万件の記録を、移動通信会社2社から押収した。
捜査隊がこのデータを分析した結果、ソウルの4組10人、忠清南道の2組4人、光州市・全羅道の15組68人の計82人の間で交信されていた計550件が、それぞれの時間帯に実施されていた各科目の正解の数字列に近いことが判明。82人は、ほとんどが受験生の年齢にあたる18、19歳だったことも突き止めた。警察は近く、82人の事情聴取に踏み切り裏付け捜査を進めるとともに、他の移動通信会社からの通信記録も調べる方針。
(読売新聞) - 11月30日21時49分更新
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「携帯カンニング予見」情報を確認もせず削除
「この書き込みをする瞬間も手が震えてきます。繰り返しお願いします。今回の修学能力試験(修能、日本のセンター試験にあたる)では徹底した監督をしてください」
「光州(クァンジュ)で勤務する高校3年の担任です。修能のカンニングに関するたくさんの書き込みを見て一言書きたいと思います。これらの主張が事実であるならば、警察庁に捜査を依頼してください」
修能の11日前から光州市教育庁のホームページ「ヨルリン(開かれた)掲示板」にはこのような内容の書き込みが幾つも目に付いた。こうした書き込みは一様に修能カンニング事件を“予見”し、対策を求める内容だった。それぞれの書き込みを数百人が読んでいた。
修能が近づくにつれ、受験生と父兄からも“警告”が相次いだ。
「修能を8日後に控えた受験生です。カンニングとは呆れてしまいます。試験会場に電波発生防止機でも設置した方が良さそうです。根本的に携帯電話が使えないように。今回、カンニングによって高得点を獲得したという人が多ければ、良心的に試験を受けた受験生たちは黙ってはいないでしょう」
高校名を実名で記載し、「こんなにたくさんの高校が加担しているのに、対策は立ててあるのか」と問う書き込みもあった。
ハンドルネーム「父兄」という人物は、「組織的に携帯電話や無線機から正解が送信されてくると、トイレに行って答えを書いてくるなんて、これを一体どうすればいいのでしょうか。昨年もこのような事があった云々、修能の日に成績が30点上がった云々、こんな話が飛び交っていました。監督官の人数を増やし、徹底して監督すべきです」という書き込みを残した。
このような書き込みは修能が終わった後も続いた。
「昨日、K高校で試験を受けたC高校の生徒たちがすごいカンニングをしていたそうです。携帯電話でずっとカンニングをし、試験中にベルが鳴ったこともあったのに、監督官は見て見ぬふりをし、カンニングに成功して嬉しそうにしている表情はほんとうに醜かったそうです。休み時間、トイレではずっとカンニングの話ばかりをして…、たばこを吸って…。私の話が信じられないなら、生徒たちにアンケート調査をしてください。聞いたところでは、もともと外国語が30点にもならない奴らが、今回の修能では90点以上正解できたそうです」
このような書き込みの内容を光州・東部警察署が発表した捜査結果と比較してみると、驚くべき正確さだ。捜査過程で明らかになった“選手”“観客”“コーチ”の名称もすべて登場している。「コツ、コツ」と携帯電話を叩いて答えを送信する方法も正確に指摘されていた。
金額まで正確な場合もあった。某受験生が掲載した文には「勉強のできる子(選手)、カンニングを希望する子(観客)、そして、このカンニングを組織し、管理する人(コーチ)に分けられるが、コーチらは選手らを一科目当たり30〜50万ウォンで買収します。携帯電話をジャンパーの中、または上着の中に入れ、その問題に当該する答を叩いて旅館にいるコーチらに伝達する方法です。すでに、学校や塾で練習したが、何ら問題なく無事にやってのけるのを見ました。筆者も金さえあれば、やりたいです。果たして、どう対処しますか。このまま、崩れるだけでしょうね」という内容が出ている。
しかしこのような情報はすべて無視された。この文を見た光州の某高校場らが「学校の名誉を毀損する」とし、削除要請をして来ると、市教育庁がこれを受け入れたためだ。
それだけではなく、光州市教育庁はこのような情報を削除した後に作成した内部文書に、「確認結果、虚偽事実を流布したものと把握された」という理由を堂々とつけて置いた。
光州=特別取材班
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