定期演奏会

 先週の土曜、午前中は保護者会、午後は「森のホール」にて定期演奏会が行われた。吹奏楽部、合唱部、和太鼓部のメンバーが3時間近くの熱演を繰り広げた。
 途中で疲れてしまった者もいるかと思うが、せきね自身は最初から最後まで、祈るような気持ちでいた。大成功に終わってほしい、と願っていたのである。
 なぜならば、高校生であれ、中学生であれ、教員であれ、舞台に立った者のうちの多数を知っていたからである。

 和太鼓にいる3人の中学生は、去年せきねが担任した生徒であった。高校生とも、親しく話をしてきた。実は、ダイナミックな和太鼓の演奏を聴くたびに、けっこう揺れ動く太鼓の台が倒れそうになってしまうのではないかと心配してしまったりする。(そんなことはないのだろうが。それくらい和太鼓の演奏は激しい)

 合唱部もマツイ先生の指揮のもとに、とても明るく朗らかで、澄み渡るコーラスを響かせた。(せきね個人的に言えば、おそらく先生は中高の音楽教育に名を残されるようになるのではないかという予感がする)昨年度の合唱祭、保健室前での練習風景を改めて思い返した。

 そして、吹奏楽部。午前の保護者会で聞いて驚いたが、前日の9時、10時に及ぶまで準備・練習を重ねていたのだそうである。春休みの新年度準備の中で、何回も吹奏楽の中学生たちと出会ったことを思い出した。すべてこの日のために努力を重ねてきたのか、と思った。

 せきねが特に感慨深かったのは、ステージ上にふたりの生徒を見たことだった。
 いずれも高校3年生、せきねが高校で担任をしていた時、出会った生徒だった。

 ひとりはトロンボーンのパートにいた。
 高校入学当時からすぐに吹奏楽部に入り、熱心に活動をしていた。入部する前から腱鞘炎を抱えていた。また、熱心すぎて孤立感を覚えた時期もあったことを聞いている。
 それでも。
 ひじに包帯を巻いている時があっても、ずっとトロンボーンをやめなかった。
 朝には必ず第一体育館の前で、音出しを続けてきた。

 ひとりはチューバ。
 高校1年のうちは順調に活動していたが、2年になってから腰痛と勉強の面で悩みを深めるようになっていった。校内では上から数えるとすぐに名前があがるくらいの成績なのだが、目指す進路が難関を極める。部活をやめようか、どうしようか、言葉には出さないが、ずっと考え続けていた。せきねはみんなが講座の時間にたびたび高校の校舎に行っては、国公立に必要な古文・漢文のアドバイスをしていた。

 舞台の上で、皆がとても立派だった。輝いていた。
 交響曲1番「指輪物語」の雄壮な調べを聞きながら、ひとりひとり、さまざまな思いを抱えて集い、ひとつの演奏を作り上げることのすごさに思いを馳せた。
 終わった後に、「センセは寝ちゃった?」なんてちょっと笑いながら聞いてくる生徒もいたけれど、せきねにはそれはあり得ない話だった。

 ウチの組からも、幾人かのメンバーが舞台に立った。
 良き先輩に続き、良き伝統を継承していただきたい。

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