人は幼いとき、純粋に世界を美の天地とする。

 大きくなるにつれ、寸土を削り凌ぎ合う、そんな地に在るのだと思い知る。

 そして、輝きを喪失する。
 小さな、小さな他愛もないことを喜びにして、それを数珠繋ぎにして生き続けようとする。

 世界は、己に優しくなんか無い。
 かといって、自身には逆巻く世界に渡り合う力も無い。

 だから。
 ささやかな金儲けをする。
 趣味のみの世界に生きようとする。
 誰もいない別世界へ逸脱して、次元の王を気取ってみる。
 そしてそれを薄々感づいているから、自ら痛みを感じるほど目を覆い、耳を塞ごうとする。

 あなたは、あなたが思いこむほどには無力ではない。

 誰しもが。
 見渡す限りの荒野を前にすれば、足を踏み出すことに躊躇う。
 誰しもが。
 先の見えぬ闇夜に在れば、足を踏み出すことに躊躇う。

 怖れ、迷い、悩むのは、人であるかぎり当然だ。
 人の器量を決めるのは、その時にどうするかという一点だ。

 望み絶えた後に、何を望むか、だ。

 心にまだ一片の光をかかえるあなたよ。

 闇を視て、闇より還れ。

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 自分の容量からこぼれ落ちそうなぐらいのストレスをかかえて日々を過ごした先週であったが、なんとか心を鼓舞して勉強会に出かけた。

 漢字の学習法。
 生徒たちへの声のかけ方。
 なわとびの授業。
 ボランティアの授業。
 食育の授業。
 ADHD、LDへの対応。

 大いに学んだ1日。

 結局、これしかないのだ。
 どんなに風が吹き荒れていても、自らの足で世界に立つしかない。
 2年前もそうだった。
 4年前もそうだった。
 8年前もそうだった。
 したたかに打ち据えられて、それを諾としないからには昂然と立ち続けるしかなかった。

 痛みに膝を抱え、暗がりに泣く自分は不様だから。

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