学級文庫。

2003年11月10日 日常
 ウチの中等部には「朝読書の時間」というものがある。20分間(けっこう長い!)、各自で持ってきた本を読む。
 この「朝読書」、いろいろな意味で効果がある。気持ちを落ち着けて一日が始められる、ということがとても大きい。
 落ち着けば、対人でのトラブルが減る。
 学習活動にも、すっと入ることができる。

 ちなみに鉄則は「必ず毎日10分」「全員で」「感想を書かない」。

 ただ、ウチはそこまで徹底できていない。
 日によっては数学や英語の小試験、話し合いなどに使われたりするからだ。
 国語の人間としては、「効果に過剰な期待をしないでね」と言っておかないとなあ、と思う。

 もっとも、読書だと寝るやつがいるんだよね。
 だから試験なんかをやっている今の方がいいのかもしれないけれど。

 で、本を持ってくるのを忘れる生徒もいる。

 何もないのも困る。
 そしてたいてい忘れてくるのは、読書を苦手とする生徒だ。

 だから学年初めから、せきねの持っている本を教室の後ろに並べておいた。

 ハリーポッター〜
 夏の魔術〜
 異次元騎士カズマ〜
 吉川英治三国志〜
 十二国記〜
 おいしいコーヒーの入れ方〜
 空想科学読本〜
 狩野俊介の事件簿〜
 ほか、歴史や科学、家庭向けの教育本など。

 知っている人には、本の選択がけっこうおもしろいんじゃないかと思う。

 いちおう、せきね的には仕組んでいる。
 「読む本がなくて仕方なく手に取ったら、シリーズの他の本も読みたくなるようなもの」という観点で。

 ある程度は効果を上げている。
 特に「異次元騎士カズマ」のシリーズや「空想科学読本」は、男子生徒たちがよく読んでいる。

 何がきっかけになって読書をするようになるか、読書感想文が書けるようになるかはわからない。
 自分の場合は、小学校4年の前半まではあきらかにキライだった。
 たしか夏休みの読書感想文の宿題は、原稿用紙1枚がどうしても埋まらなくて、空いたところに絵を描いてごまかそうとした記憶がある。(笑ってしまうが、当時は担任に叱られないように必死だった)

 それが、ある時にぽっと書いた生活文をほめられ、次にたまたまたくさん書けた感想文を何かの賞に推薦された。

 以降、学校の図書室と地元の公民館に入り浸り、貸し出しカードを何枚も使って本を借り、ひたすら読むようになった。
 小5から中3まで、作文があると毎回のようにほめられたり賞状をもらったりするようにもなる。

 たくさんの本に目を通せば、つまらないと感じるものも、趣味に合うものもある。
 おもしろく感じられた本があれば、同じ人が書いている本を探す。
 それが尽きたら、同じジャンル・題材の本を読む。
 そうやって点から線へ、面へと読書の幅が広がっていった。

 テレビがあり、ケイタイがあり、ゲームがある。
 本にふれる機会は少なくなる。

 だから、本の世界を知るまず第一点をつかんでほしいなあ、と思う。

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 2冊読み終える。

 天谷これ『毒キノコが笑ってる』
      山と渓谷社 2003
 内藤誼人『できるビジネスマン偽装講座』
      ソフトバンクパブリッシング 2003

 山でキノコを探す雑学・エッセイと、仕事ができるように見えるフリをするにはどうしたらいいか、という本。

 どっちもややブラック系のユーモアがあっておもしろく読んでしまった。
 植物についての本もビジネスマナーについての本も読んだ時はあるのだが、今回のはちょっと変わっている。

 読書の幅が、線から面になってきているのだろう。
 財布が痛いが、まあ仕方あるまい。

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